基板実装 基板修理/基板リワーク

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基板修理/基板リワークの特徴と重要性

基板リワーク、すなわち基板修理は、製造過程で生じる不良や設計変更に対応するために、基板上の部品を修正・交換する不可欠な工程です。製造現場では、はんだ不良や部品の誤実装といった様々なトラブルが発生します。これらの基板をすべて廃棄するのではなく、基板リワークによる基板修理と再利用を行うことで、コスト削減と環境負荷の低減に大きく貢献します。
特に、BGAやQFNといった高密度に部品が実装された基板の修理には、熟練した技術者による高度かつ精密な作業が不可欠です。

当社では、少量多品種の基板修理にも柔軟に対応できる体制を構築しています。これにより、設計変更や試作段階での急な仕様変更にも迅速に対応し、お客様の課題をスピーディーに解決します。部品の交換はもちろん、不要なパターンの除去や、ジャンパー配線による回路パターンの変更といった、幅広い基板修理サービスを提供しています。

お客様からの具体的な指示書がなくても、「簡単な図面や写真」をもとに、変更内容をヒアリングし、最適な基板修理プランのお見積もりを算出いたしますが、 高密度基板や高周波基板の基板リワークには、対応に制限がある場合がございますので、是非一度ご相談ください

トラブルの一例

  • 開発で基板を設計・製作をしたが動作不良が発生した
  • 改版設計が間に合わず回路の変更を急遽行わなくてはならない
  • 部材が変わった際に形状は同じだが定格電流が変わった、もしくは設計上は問題なかったが実際使用したときに不具合が発生した
基板リワーク前基板 基板リワーク後基板

基板修理/基板リワークによるコスト低減

試作品として製作した実装基板に、パターンや実装部品の修正が必要になった場合、通常は新しい基板を製作することになりますが、新しい基板の製作には「基板の設計、製造、実装」に多大な時間とコストが発生します。

このような場合、基板リワーク、つまり基板修理を行うことで、時間とコストを大幅に抑えることが可能です。基板リワークは、既存の基板をそのまま利用して、問題点を修正する基板修理方法のため、新しい基板を製作するよりも安価で、迅速に問題を解決できます。
当社では、専門の技術者が高精度な基板リワークを行い、不良箇所を確実に修正します。この基板修理により、お客様の試作プロセスを効率化し、開発期間の短縮とコスト削減に貢献します。

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基板修理/基板リワークとしての作業内容

実装部品交換

近年の電子機器の小型化に伴い、基板に実装されるコンデンサなどの部品も小型化が進んでいます。
現在では、1005サイズからさらに小さい0603サイズの部品が主流になりつつあります。これらの小型部品は、基板設計の自由度を高める一方で、基板リワーク、特に実装部品の交換作業の難易度を非常に高くしています。細かな部品を正確に取り扱い、はんだ付けを行うには、高度な技術と専用の設備が不可欠です。
当社では、こうした小型部品の交換を含む基板修理に特化した専門チームが対応しています。基板リワークによって不良品の基板修理や、部品の仕様変更にも迅速に対応し、お客様の製品開発を強力にサポートします。

電子部品の小型化が進むにつれて、実装時の不良(トラブル)リスクは高まります。下記がトラブルの一例です。 特に0603サイズのような非常に小さな部品は、わずかなズレでもはんだ不良や接触不良を引き起こしやすくなります。

■ トラブルの一例

はんだの過不足で部品の位置ずれ、
浮きが発生してしまう

部品がたちあがってしまう

当社では、このような小型部品のトラブルに対応する基板修理サービスを提供しています。高度な技術を要する基板リワーク(基板修理・手直し)により、0603コンデンサなどの微小な部品の実装不良も正確に修正することが可能です。熟練した技術者が手作業で精密な基板リワークを行うことで、小さな不良も見逃さず、確実に基板修理を完了させます。
結果として、お客様の基板を安全かつ確実に再利用できる状態にし、製品の信頼性向上に貢献します。

部品種類 パッケージタイプ
ICリードなし部品 BGA
QFN
ICリードあり部品 P=0.4 QFP
P=0.5 QFP
248pin QFP
極小部品 0402コンデンサ
0603コンデンサ
1005コンデンサ
ICリードなし部品・ICリードあり部品 極小部品

基板改造としてのパターンカットとジャンパー配線

基板設計の初期段階でのパターン設計ミスや、試作後に回路の仕様変更が必要になった場合には、基板リワークによる基板改造が非常に有効です。

基板改造の代表的な作業として、パターンカットとジャンパー配線があります。
基板上の不要な回路パターンを正確に除去し、細いジャンパー線を用いて新しい回路を形成することで、設計上の問題を修正します。この基板改造は、単なる部品交換に留まらず、回路自体の機能変更を可能にします。

当社では、熟練した技術者がこの精密な基板の改造作業を担当します。顕微鏡などを活用し、微細なパターンも確実にカットし、必要な箇所に正確に配線することで、基板を完璧な状態に修正します。
これにより、新しい基板を製作するコストと時間を大幅に削減し、開発プロセスをスムーズに進めることができます。

作業内容 対応可能範囲
パターンカット 表層ライン
ジャンパー配線 基板パターン間
部品間
VIA間
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基板修理/基板リワークの実例

試作後の基板で、パターン設計のミスや回路の変更が必要になった場合、新しい基板を作り直すのは時間もコストもかかります。
そこで役立つのが、基板リワークという基板修理です。具体的には、不要になった基板上のパターンを正確に除去し、細いジャンパー線を使って新しい回路を形成します。
この基板修理によって、基板を廃棄することなく、問題を解決し、製品開発をスムーズに進めることができます。

0.5mmピッチICリードにAWG30を2本取り付け

0.5mmピッチICリードにAWG30を2本取り付け
回路図
  • 左記回路図をもとに追加改造
  • 電源ラインにパスコン追加
  • ライン上のレジストを剥離しコンデンサを追加
  • コンデンサ搭載については下部に絶縁対策としてポリイミドテープを貼りJP線にてGNDラインとつなげています
  • 0.5㎜ピッチのQFPリードにAWG30のJP線を2本取り付けなどの改造作業が可能です

コンデンサ2段重ね

コンデンサ2段重ね 斜め上から コンデンサ2段重ね 上から
回路図
  • 左記回路図をもとに追加改造
  • 電源ラインにパスコン追加
  • コンデンサのサイズとライン幅が同じような場所ではJP線を用いず、各ラインのレジストを剥離し直接コンデンサを取り付けています。(コンデンサ下部にはポリイミドテープによる絶縁対策)
  • スペースが無い場合はコンデンサ2段重ね等の対応が可能です。

レジスト剥離によるパターン形成、レジスト塗布

レジスト剥離によるパターン形成、レジスト塗布 斜め上から レジスト剥離によるパターン形成、レジスト塗布 上から
回路図
  • 左記回路図をもとに追加改造
  • 電源ラインにパスコン追加
  • ラインレジスト剥離によるコンデンサ取り付け、ラインレジスト剥離箇所にJP線取り付けも対応。絶縁対応も行います。
  • レジスト剥離箇所の保護として簡易レジスト塗布も対応。

市販回路キットの実装・基板修理

市販の組立キット(電源モジュール、アンプ、光センサーなど)の実装でお困りであれば当社では、1台から基板修理・実装を承っております。
「実装する設備がない」「社内のリソースが足りない」といった場合に、ぜひ当社の基板リワークをご検討ください。プロの技術者が丁寧に作業を行い、お客様のニーズにお応えします。