社内HP担当のゆめみんが、現場のスペシャリストサイトウ☆さんに突撃インタビュー
前回の「難易度MAXリワーク編」に続き、今回のテーマは基本にして「良いハンダ付けの定義」です。実はハンダの世界にも「富士山」や「70%の法則」があるって知ってました?
理想のカタチは「富士山」にあり!?
ゆめみん: サイトウ☆さん、今日はよろしくお願いします!ズバリ聞きますが、プロが惚れ惚れする「良いハンダ付け」って、パッと見でわかるものなんですか?
サイトウ☆: よろしくお願いします!そうですね、良いハンダを一言で表すなら、ズバリ「裾野(すその)がきれいな富士山」ですね。
ゆめみん: 富士山!?なんだか縁起が良さそうですけど……どういうことですか?
サイトウ☆: 専門用語では「フィレット」と呼ぶんですけど、ハンダが土台に向かってシュッと滑らかに広がっている状態が理想なんです。この裾野が広がった形が、一番強度があって丈夫なんですよ。
表面の状態と「金属疲労」のリスク
ゆめみん: 見た目のピカピカ具合も重要なんですか?
サイトウ☆: はい。表面が滑らかであることは大切です。ただ、最近主流の「鉛フリーハンダ」は昔のものほど光沢が出にくいので、単にキラキラしているかより、肌ツヤが滑らかかどうか,で見極めます。
ゆめみん: ハンダにも肌ツヤが……(笑)。もしガサガサだったら?
サイトウ☆: それは要注意サイン!コテを当てる時間が長すぎたり、温度が高すぎたりすると、「金属疲労」で表面がボソボソになっちゃうんです。そうなると強度が保てず、プロの世界では「不良品」と判断されます。
要注意!現場で嫌われる「NGハンダ」たち
ゆめみん: 逆に「これはダメだ!」っていう悪い例も教えてください!
サイトウ☆: 現場で嫌われる代表的な「NGキャラ」はですね。
- いもハンダ 加熱不足でハンダが馴染まず、丸く太った「いも」のような状態。接触不良の大きな原因になります。
- ハンダ不足 流し込む量が足りず、接合部がスカスカな状態。振動などで外れやすくなってしまいます。
- 加熱のし過ぎ(オーバーヒート) 熱しすぎて表面がボロボロになった状態。最悪の場合、基板そのものを傷めてしまいます。
- 角(ツノ) コテを離すタイミングが悪いと、ハンダが尖って残る現象。見た目だけでなく品質的にもNGです。
ゆめみん: どれも個性的ですけど、現場では困りものですね……。見つけたら即、やり直しですか?
サイトウ☆: 基本は修正対象です。ただ、現場ごとに「ここまではOK」という良品限界のラインを設けて、厳しくコントロールしています。
品質を左右する「三種の神器」
ゆめみん: 誰でもプロみたいにきれいに付けるコツってあるんでしょうか?
サイトウ☆: 結局は、「温度管理」「当てる時間」、そして「適切なフラックス」の3つのバランスに尽きますね。
ゆめみん: フラックスって、あの「はんだ付け促進剤」のことですよね?
サイトウ☆: そうです!金属表面の酸化膜を除去して、ハンダの「濡れ性(馴染みやすさ)」を高めてくれる必須のアイテムです。他にはに温度管理がキマると、仕上がりも見違えますよ!
「70%の法則」の壁
ゆめみん: サイトウ☆さん的に、このほかにも細かいところを見られるんですか?
サイトウ☆: そうですね。特に挿入部品には「ハンダ上がり」という厳しい基準があるんです。これがなかなか奥深くて。
ゆめみん: ハンダが……上がる?
サイトウ☆: 基板の穴(スルーホール)に部品を刺してハンダ付けする時、ハンダが穴をスルスル〜っと吸い上がってこなきゃいけないんです。規格の「70%以上上がっていること」が合格ライン!(「マイクロソルダリング要員評価」にて50%~75%)
ゆめみん: 7割!どうやって判断するんですか!?
サイトウ☆: 実際、ミリ単位で測るのは難しい(笑)。だから、基板を反対側から覗き込んだ時にハンダがしっかり見えれば、およそ70%は満たしているだろう、と判断するのが現場の基本ですね。
【編集後記】 きれいな富士山(フィレット)を目指し、見えない穴の中まで 70%以上ハンダを上げる……。 今回のインタビューで分かったのは、ハンダ付けは単なる「作業」ではなく、温度と構造を読み解く「科学」だということ。サイトウ☆さんのようなプロの技術は、こうした細かな知識と「良品へのこだわり」の積み重ねで成り立っているのですね!
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